終わらない拍手の人
先日は原田芳雄さんの告別式に行ってきた。俺の実家には子供の頃から兄貴が買い揃えた芳雄さんの本『B級パラダイス』や色んな映画のパンフレット、LPなんかが沢山あり俺は小、中学生ながらそれらが大好きだった。
インタビューなどを見ていると俺と同い年の息子がいて「へ～・・ケンタって言うのか・・」なんて愛知県の片田舎で思っていた。まさかその後に友人になるとは夢々思っていなかった。
芳雄さんの映画はよく観に行った。中でも大学生の時に行った『浪人街』と言う時代劇は最高だった。タイトル通り芳雄さんは浪人役で単純明快に陰湿極まりない悪者達と闘うのですが、観終わった後は興奮して肩をいからせ風切りながら劇場の階段を昇って行ったのをよく覚えている。
『寝とられ宗助』と言う映画では劇団の座長扮する芳雄さんが奥さん扮する藤谷美和子さんを自分の劇団員に寝とられてばかりいるのですが、クライマックスに越路吹雪の『愛の賛歌』を歌うのです。それがとても素晴らしくグッ・・ときたな～。その後俺はカラオケではこればかり歌うようになるのです。
何度も芳雄さんとはお会いする事が出来て沢山ご馳走になったのだが、いつもどうにも緊張してしまいぎこちなくしか話す事は出来なかった。いつもでっかくて優しい人だった。
今回の急逝・・ただただ残念・・。まるで自分の親父が死んだように悲しい。 「若い俺達が引き継いで頑張らなくては・・」と喧太が言っていたが正にその通り・・俺もこれまで以上に頑張る所存です。
今日は快晴の月曜日。遺作となった『大鹿村騒動記』を観に行こう。そしてその後一人で新宿をプラプラしよう・・。嗚呼・・またヒーローが逝ってしまった。残された人生・・俺達が頑張らねば。
庄
