« 消えぬエネルギー | メイン | 謎のバンドその2!?詩人と俺 »

謎のバンドの正体!!?

昨日は秋田の千秋会館と言うところで黒瀬君と大島くんと西尾君とでライブを行った。
この謎の企画の始まりは黒瀬君主導で去年の秋頃に遡るのだが「M園くーん・・秋田の会館のクリスマスパーティーに出ないかい・・??」と言われたのが発端となる・・。「また今度は何を言い出したのか?この漢(おとこ)は??!」と思ったが「毎年有るパーティーでパーッ!と演奏してその後、美味しいもの頂いて帰って来る感じなんだけど・・。」と言い、続けて「メンバーはお喋りな君と西尾くんのトリオでパーッ!とパーティー盛り上げてさ!!」といつもの笑顔で言われた。「ボーカルも君と西尾君でひとつ頼むよー・・。」と言われた。
何が何やらどうも今ひとつ腑に落ちないが、時期としてはflow-warが終わって激しく傷心中の頃。秋田の皆さんとクリスマスと言うのも今の俺には悪くない・・と快く引き受けた。しかし客層は秋田のお年寄りからお子様まで・・、どんなライブ内容にしようか頭をひねった。三人でしかも歌いながらではチョイスも黒瀬君のひたいのように狭い。
子供も分かる歌!?お爺さんも分かる歌!?最終チョイスはプレスリーから坂本九、井上陽水やベンチャーズ、黒瀬君の歌う石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」など・・。それに何曲かのクリスマスメドレーと組んだ。スマップの『世界に一つだけの花』やモー娘の『ラブマシーン』なんかもアレンジ&トライしたが無茶だった。他はリハーサルに入り力技で何とかした。
いつもの僕らとちょっと違うがなかなか良い派手なパーティーバンドに仕上がった。本番も秋田の皆さんに暖かく迎えて頂き楽しく演奏できた。「歌が少々・・」と言う声も有りましたが、それは我々自身先刻承知の上、歌謡メロディーに力技は通用しない・・今後の課題である。雪深い土地でパーッ!と騒いだ良い思い出である。
と言うのが去年の年末の事。そして年が明けてすぐ「今度は八月の竿燈(かんとう)祭りで頼むよ!」と言われた。8ヵ月先はどんな毎日に成っているか分からないがアッという間に日は巡りそれが先日の八月六日。朝九時の便で秋田に向かった。
東北三大祭りと云われる『竿燈祭り』は雄大勇壮な物。竿燈とは竹竿を筏(いかだ)状に組んだ竿にギッシリ提灯をさげ。高さ最大で12メートル、重さは60キロにも成る祭りの出し物で、その竿燈が大通りを埋め尽くし観光客も100万人に上るという物。テレビで観た事は有ったが実態は度肝を抜かれるスケールだった。
ライブ後バスで案内され、町には色とりどりの屋台や、浴衣姿の娘さん達や、酔いどれ者に、子供の手をひくお爺さんに・・と華やかに彩られて、そんな中、演奏を終えた黒瀬様御一行は中心地へと向かった。ライブ後の高揚感と用意してもらった焼酎の水割りが心地良く遠くにゆらゆらと見えてきた竿燈の群れと太鼓に笛の音。「町のネオンは明るすぎて痛い・・。」と初めて感じた瞬間だった。竿燈のあかりは提灯の蝋燭(ロウソク)で無数に灯るが、とても淡くやわらかく暖かいのである。ネオンの下のその仄(ほの)かさはちょうど『千と千尋』の町や船のようで幻想的だった。
僕らは竿燈道中の真っ只中に席を用意してもらい相撲で云う『砂かぶり』状態に成って、汗や声援、怒号の中に座わり見物に・・そこでまたも唖然とした。12メートル、60キロにもなる竿燈だから屋台か何かで引いているかとばかり思っていたが祭り姿の男衆がその巨大な竿をたった一人で持ち支えて居るのである。手のひらや肩や頭で、アゴでお尻を突き出し腰で・・!!風に煽られてもバランスをとっている!!米の名産地!秋田男の底力を観させて貰いました。子供の竿燈も可愛らしくも勇ましく素敵な祭りを体験できました。
竿燈を稲穂に見立て豊作を願う祭り・・豊作であらん事を・・。m(__)m
祭りの終わりに『触れ合い竿燈』と言って一般参加の時間があり我々も果敢にトライ!!しましたが持ち上げれず惨敗。(T_T)とんでもなく重く手のひらは無茶苦茶痛くてクッキリと跡が・・。大島くんが博多っ子の威風をかまし少し持ち上げたのが精一杯でした。秋田の男衆はたいしたものです。
diary20050808jinbe.jpg diary20050808akita1.jpg diary20050808akita2.jpg

ライブで特筆すべきは衣裳・・。
「みんなこれだから!!」と黒瀬君が用意したのは祭り用の『はっぴ』で、これではまんまドリフである。昨年のクリスマスでは指揮者のような燕尾服でカッコ良かったが、今回は祭りの一環と言うことで我々も迷いを捨てはっぴを着ました。しかし楽屋はいっきに寄り合いのようになってしまい、大島くんと西尾くんはヤクザのように成ってしまい、黒瀬君はちびっ子のようで、俺はなんか祭り用の黒いズボンの履き方が分からなく寸が足りてるのか足りてないのかも分からず・・鏡の姿は謎でした。
もう一つの大問題は今回のメニューで誰もが分かる映画音楽を幾つか考えていて『戦場のメリークリスマス』や『禁じられた遊び』などのシビアなバラードを用意してあって、どの面さげてやれば良いのか??観てた方々の方が謎だったろうな・・。
ライブはパーティー形式で楽しく終わりました。来てくれた皆さんありがとう。そして秋田の皆さんありがとう、千秋会館の皆さんもありがとう。お土産もありがとう。比内鶏のレバ刺しと冷酒は今も心で溶けています。(^_^)/~
さて次のライブはエキサイトか・・。明日は大満月の日で今日は自宅にて曲を作る日です。みなさんも良い夏を・・乾杯。

庄 05・8・8 灼熱の昼下がりにて。